Dトレイから充填するロックウール培地を省いてみました

前回のブログから、3か月近くが経ってしまいました。メロンはとっくに収穫が終わり、同じ温室でトマト栽培が始まってしまいました。今回のトマト栽培では新しい試みをしていますので紹介します。

(メロンについては、7月16日に新入社員の飯田がアップしていますので、参考にしてください。できれば収穫編をもう少し詳細にアップしたいのですが、期待せずにお待ちください)

これまでDトレイ各ポットに培地としてロックウール粒状綿を20~30g/ポット程度詰めてから、セルトレイ苗を定植(あるいは2次育苗)していましたが、このたびの栽培ではベルグアースのストレート苗を培地を充填せずにDトレイに定植してみました。

定植と言っても、ただポットの中に置いてノズルを刺しただけです。

これだけですが、ある程度植物体が大きくなると、ポット内いっぱいに根が張り、一見今までの培地を詰めた方法と見かけ上は変わらなくなると思われます。弊社では初の試みですが、昨年稲沢市のぬかや農園で試作しており、従来法と何ら変わらぬ生育状況だったとのことです。

この方法の利点は、培地を充填する必要がないので、培地を詰める手間と培地代が不要なことです。生育、収量に悪い影響は及ぼさないとは思いますが、よい影響が出てくれるとうれしいです。

欠点としては、通常のセル苗に比べて価格が倍以上すること、定植したい日にピンポイントで納品してもらうように発注することが難しいこと(発注の時間に余裕があれば可能です)などが考えられます。

弊社では、各作型とも苗テラス(1坪タイプ。128穴セルトレイが16枚、約2000株育苗可能)を使って自前で育苗しているので、培地の多いタイプの育苗を苗テラスで行うと株数が不足することが問題です。

購入苗でDトレイ栽培されている方、特に長段で栽培される方にはお勧めな方法かもしれません。今後の結果に期待ください。


代表取締役 糠谷 明


(株)静岡アグリビジネス研究所

農業をサイエンスに "Dトレイ栽培"で安定収入と週休2日を実現