夏期のメロン栽培(その2)
9月8日における6区画の夏栽培メロンの様子を報告します。
今年の夏は気温が高く、昼間の最高気温が35℃以上、最低夜温も25℃以上が続いています。そのため夜間の呼吸量が増えて、光合成産物(糖)が果実に蓄積する条件ではないので、果たしてこの夏のメロンの糖度が確保できるか心配です。せめて、夜温が22℃くらいまで下がってくれれば糖度上昇が期待できるのですが(昼夜の温度較差があると、美味しいメロンができます。北海道がうらやましい)。来月収穫の5-5号以降のメロンに期待しています。
なお、今作は7月23日に交配用ミツバチ「ぶんぶん3000」を導入しましたが、ハチが温室内を飛び回らないという現象が比較的多くの農家さんで見られたようです。弊社でも巣箱の外に出てくるハチはいるものの、巣箱の外壁(段ボール)にくっついたままで、温室を飛びまわるハチは数匹しか見られませんでした(写真参照)。そのため、半数の温室(区画)では、筆交配で受粉を行いました。作業時間短縮のためには、鉢が元気に飛び回ってくれないと、労働時間が長くなってしまいます。来年以降の対応を考えなくてはいけません。
↑巣箱から出てはいるが、外壁にくっついて飛び回らないハチの群れ。
5-3号:6月13日播種(青肉系ソナタ夏系2号、赤肉系妃盛夏系)。7月23日~27日交配。9月16日~20日収穫予定。
9月8日の立ち木調査の結果、ソナタ夏系2号(青肉)はA品:139、B品:30、C品:14、D品2(個)、妃盛夏系(赤肉)はA品:113、B品:63、C品:6、D品3(個)となりました。ソナタ夏系2号のほうが妃盛夏系より、果実肥大が良く、果実外観評価も高い傾向にありました。
妃盛夏系は、「盛夏系」と名前が付いていますが、35度以上の昼間の高温や25℃以上の夜温が続くと、生育が抑制され、節間が詰まります。少し涼しくなる(夜温が25℃を下回る)と、茎がすっと伸びてきます。
↑5-3号の栽培状況。葉色が大分抜けています。
↑5-3号:果実(ソナタ夏系2号)は十分に肥大し、ネットが全体に発生しています。あと1週間ほどで収穫です。
5-4号:6月23日播種(青肉系ソナタ夏系2号、赤肉系妃盛夏系)。8月1日~3日交配。9月25日~27日収穫予定。
玉の緩み方が甘かったため、水分の流入による急激な肥大でミミズ張りネットや、大きな割れが発生しました。これは、天窓の閉まり方が悪くて、雨の降り始めに培地に水が入ったり(下記写真参照)、植物体に水が掛かったことも一因です。
9月8日の立ち木検査の結果、ソナタ夏系2号(青肉)はA品:43、B品:57、C品:62、D品24(個)、妃盛夏系(赤肉)はA品:76、B品:94、C品:22、D品3(個)となりました。玉を緩ませるのに失敗したため、ちょっとの吸水量の変化で、ミミズネットや大割れのメロンが増えて、評価が低くなりました。
↑5-4号生育状況:天窓からの雨水が培地に掛かり、ミミズネットや大割れが発生しました。
↑5-4号に発生したミミズネット(写真上)や大割れ果実(写真下)。これらはD品で出荷は不可です。
8⁻1号:6月26日播種(青肉系ソナタ夏系2号、赤肉系妃盛夏系)。8月7日~9日交配。10月1日~10月3日収穫予定。
↑8-1号栽培・着果状況
↑8-1号 交配1か月後のソナタ夏系2号。全体にネットが回り、これから盛り上がって来る。
5-5号:7月11日播種(青肉系ソナタ夏系2号、赤肉系妃盛夏系)。8月16日~22日交配。10月10日~16日収穫予定。
↑5-5号栽培状況
↑5-5号:ソナタ夏系2号 開花約23日後で、ネットは全体に発生している。
8⁻3号:7月14日播種(青肉系ソナタ夏系2号&ソナタ春秋系、赤肉系妃盛夏系)。8月22日~28日交配。10月16日~22日収穫予定。
↑8-3号の栽培状況。すくすくと育っています。開花約17日後で、ネットは5-5号と同じように全体に発生。
5-6号:7月22日播種(青肉系ソナタ春秋系2号、赤肉系妃盛夏系)。8月29日~9月3日交配。10月23日~10月28日収穫予定。
↑5-6号栽培状況 玉吊りが概ね終わりました。
↑5-6号:大きな玉はソフトボール大になっています(ソナタ春秋系2号)
9月16日より順次収穫となりますので、楽しみにお待ちください。スーパー田子重様でお買い求めいただけます。 糠谷 明
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