冬季の朝方にCO2施用は効果あり
皆様おそくなりましたが、今年もよろしくお願いします。
栽培管理をしています飯田です。
今回は弊社でのハウス内の各数値のモニタリングから分かったことを説明したいと思います。
まず下のグラフは、3日間のCO2濃度と光合成速度をモニタリングしたグラフになります。
黄色線が光合成速度、緑色線がCO2濃度を示しています。
ハウス内では、日中CO2施用が行われています。
3日間ともCO2濃度が高いと光合成速度が上昇していることが言えます。
次に同期間の日射量と光合成速度をモニタリングしたグラフを見てください。
青色線が日射量、黄色線が光合成速度を示しています。
日射量は昼頃最大値となる放物線を描いています。
光合成速度は日射量が増えれば増加すると考えると同じような形になると考えられますが、
実際には違っています。
これはさきほどのグラフから、CO2濃度が朝方高いことが起因していると考えられます。
このことから朝方にCO2施用することは光合成速度を増加させるのに有用だと思われます。
次にCO2施用の効果を数値で比較したいと思います。
下のグラフは左側がCO2施用ありの日、右側がCO2施用なしの日の光合成速度を示しています。
前グラフと同じく青色線が日射量、黄色線が光合成速度を示しています。
日射量の変化は2日間とも同程度ですが、
CO2施用ありの日のほうが光合成速度が大きいと言えます。
数値を比較すると光合成速度はCO2施用ありとなしで約2倍の差があります。
また日射量はむしろ施用なしの方が高い値でした。
まとめますと、
①CO2施用で光合成速度が増加する
②日射量が少ない朝方でもCO2施用は、光合成速度の増加には効果がある
ということです。
最後にハウス内環境を良くすることにより、植物の光合成が増加し、収量の増加につながります。
しかし環境を良くするには設備の導入、運転コストがかかります。
収支を考えて、予想、計画を立てるのが大事だと思います。
長くなりましたが、栽培に関して数値データからのアプローチで
お伝えできることがあれば記事を書きたいと思います。
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