2022 フィールド科学演習Ⅱ

お久しぶりです。栽培担当の天野です。

前回の私の投稿では5号東区の進捗状況をお知らせすると言いましたが、なかなかに多忙でブログの更新が滞っておりました。既に前作の栽培は終了し、新しい株が5号東区には植わっています。

さて、言い訳は置いて本題に入ります。


今回は静岡大学農学部附属地域フィールド科学教育センターの共同利用で、英和学院大学短期大学部と静岡産業大学の学生が来て、フィールド科学演習Ⅱを受講していただきました。

実習ではまず温室でトマトの生育状況、生態など、どのようにしてトマトが成長していくのか株や花を見ながら説明をし、トマトを収穫して果実の糖度測定、静大トマトと市販のトマトの糖度、味の比較などをしていただきました。

学生達の食味の感想を読ませていただいたところ、「市販のトマトよりも甘かった」「糖度が高く美味しかった」などという意見が沢山あったので、トマト生産者として非常に嬉しく思いました!


ここで“糖度”について少し解説します。

糖度が高い=甘い なのか?

今回使ったフルーツセレクター(非破壊糖度計)、ポケット糖度計(破壊式糖度計)では一般的な糖度計で採用されているBrix値で表示されます。

Brix値は可溶性固形物含有量の事で、糖度計では液中に溶けている糖類や塩類、有機酸、無機成分などの濃度を測定することが出来ます。

糖度計と言ったら甘さを測る物だと思われがちですが、そうでは無いということを知ってもらうために、学生達には5%の塩水を糖度計で測定していただきました。

この実験で5%の塩水も糖度計で5%と表示される事に驚いている学生もいました。

高糖度トマトを食べたとき、甘さの他にも酸味を大きく感じるトマトや、塩味も感じる高糖度トマトがあるかもしれません。それらは糖類の他にも酸や塩類が多く入ってるのかもしれませんね。

このように高糖度トマトと言っても糖や酸のバランスで、感じる甘さも異なるので糖度の高いトマト=甘いトマトとは限らない事を知っていただけたでしょうか。


写真は糖度測定、味の比較をしている様子です。


参加して頂いた学生の皆さん、暑い中ハウスでの収穫、糖度測定お疲れ様でした。

天野

(株)静岡アグリビジネス研究所

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