苗づくりが重要~苗半作~

みなさん「苗半作」という言葉を知っていますか?

稲作において良い苗が作れるかどうかでその年の作柄が半分は決まってしまうという喩えです。

これは野菜づくりにも同じことが言えます。


弊社では播種から行い、自前で苗段階から栽培しています。

上記の苗半作という言葉が今年の夏は身に沁みました。

播種から3週間の間は人工気象機の中で苗を栽培しています。

温度等管理された環境の中で栽培しているのですが、今年の夏は芳しくなかったです。

特に「水泡症」という生理障害が多く出てしまいました。

この水泡症は葉にこぶ状のものが現れ、ひどい場合は葉が変形、落ちてしまいます。

葉の枚数が少ない幼苗期に葉にダメージがあれば生育に大きな影響を与えます。

水泡症がでてしまった苗はこの夏の暑さに耐えられず生育が良くありませんでした。


この水泡症の原因は水環境の急激な変化により発生すると考えられているため、

給液条件の変更をしました。またCa濃度を少し高くしてみました。

下の写真は条件変更してからの苗の様子です。

弊社では播種から2週間後に水泡症の症状が見れられることが多いのですが、条件を変更してから

ほとんど見られなくなりました。定植後もすくすく生長しています。

条件変更してから2作分は症状がでず問題なく苗づくりができました。

来年の夏はがっちりした苗づくりで対応できればと考えています。


栽培担当 飯田

(株)静岡アグリビジネス研究所

農業をサイエンスに "Dトレイ栽培"で安定収入と週休2日を実現