3ヶ月間お世話になりました!

研修生の伊藤です。3カ月の研修も最終日になりました。

Dトレイ栽培に必要な一通りの作業を経験させていただきましたが、どの作業も想像以上に奥が深く、スタッフの方々の技術に驚いてばかりの毎日でした。

作業の合間には、定期的に5中ブロックの茎径調査をさせていただきました(表)。


「茎径」は、トマトの生育診断で栄養成長と生殖成長のバランスを見る指標として活用されています。静岡アグリビジネス研究所では、給排液の量やEC、硝酸イオン濃度の測定結果や、トマトの状態を見ながら給液量や給液濃度を調整し、安定的な収量・品質を確保していますが、その茎径がどのように推移しているのか特に興味があり、調査しました。

そして、調査結果をもとにした勉強会を設けていただき、1、2葉間(生長点に最も近い葉長10cm以上の葉を1葉、その直下を2葉としました)が直近の肥培管理を最も反映しているのではないかという意見をいただきました。さらに、1、2葉間は生長点に近く測定しづらいため、2、3葉間を指標として測定すると良いのではないかという提案もいただきました。

また、糠谷代表から「生殖成長」と「栄養成長」という言葉の定義に関する資料をいただき、その中では、光合成産物の果実への転流割合が低い場合には「栄養成長」、多い場合は「生殖成長」に傾いていると説明されていました。今までは「樹勢が強い」=「栄養成長に傾いている」と短絡的に解釈していましたが、収量や品質を向上させるという本来の目的を考えると、目に見えない「転流」の状態を的確に把握できる指標が必要なのだと感じました。

 今回の生育調査は収量や品質との関連まで調べていませんが、今後私がトマト栽培を指導する際の参考にしたいと思っています。

 最後に、スタッフの皆様には大変お世話になりました。美味しいトマトは、心をこめた丁寧な栽培管理、記録や調査結果の細かい分析、余念がない勉強や研究など日々の努力の積み重ねがあってこそ作られているのだと実感しました。

 今後も、Dトレイ栽培に携わるチャンスが来るように、まずは今日まで勉強させていただいただいた内容を復習して、地元の農業者の方々にもしっかり説明できるようにします。

 ありがとうございました。

10月7日に播種、26日に直接定植した5中ブロックのトマトです。定植日と私の研修開始日が近く同期のような存在で、順調に生育し研修終了までに何とか収穫を迎えました。

(株)静岡アグリビジネス研究所

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