2023年冬のトマト栽培状況

2022年秋作の栽培状況を昨年11月1日に紹介しましたが、今日は冬作の栽培状況を紹介します(写真、説明は1月31日現在)。1月末は10年に一度という大寒波が襲来し、暖房費がかさんで苦労していますが、今のところトマトは寒さにもめげず、順調に生育しています。冬の静岡は晴天続きで日照時間が長く、また窓が閉まっている時間も長いため、二酸化炭素施用を効果的に行えるので、暖房費がかかる&成熟期間が長くなることを除けば、栽培しやすい季節です。

昨年から猛暑対策として4ブロックのリレー栽培を7ブロックに変更していますが、ようやく7ブロックの作型で順調に栽培できるようになりました。昨年秋の収量減少を何とかカバーしたいと思います。

前回もお示ししましたが、再度弊社の温室の平面図で7ブロック(3号AB、3号CD、5号東、5号中、5号西、4号GH、4号EF)を生育ステージの若い順に紹介します。

4号棟 EFブロック(900株)5段栽培、

8/10播種、8/29直接定植(2次育苗なし)の作型ですが、F1&2列(450株)は1月30日に栽培を終了し、1月6日に播種、1月25日に2次育苗のDトレイをF列にて行っています。E1&2の2列(450株)の栽培は今週で終了し、2月6日をめどに次作定植予定です。次作の収穫予定は5月上旬です。写真下は4号EF用2次育苗。2枚目は4号E列の栽培終了まじかの株です。

4号棟GHブロック(900株)5段栽培。12月16日播種(桃太郎ヨーク)、1月6日直接定植(2次育苗なし)。4月下旬収穫開始予定。写真下は栽培状況(直接定植後26日目)

5号西ブロック (1200株)5段栽培。10月28日播種(桃太郎ヨーク)。11月16日2次育苗。11月30日定植。12月14日第1段開花。現在第5花房開花中。2月下旬摘心、3/5~4/29収穫予定。特段の問題もなく順調に生育している。コナジラミの天敵タバコカスミカメの宿主植物のクレオメもすくすくと育ち、開花もしています。タバコカスミカメも活躍して、コナジラミはまったく姿が見えません。昨年のこの区画は暖房機から遠い区画で、生育に遅延がみられたのですが、今年は写真奥までダクトを伸ばしたため温度ムラは解消されています。

5号中(1200株)5段栽培。10/7播種(桃太郎ヨーク)、10/26直接定植(2次育苗なし)、1月20日摘心済み。生育、着果・肥大も良好。1月30日から収穫が始まり、4月中旬まで収穫予定。(写真下)

これ以後のブロックは、11月1日の紹介記事中ではすでに栽培が開始されていたブロックです。

5号東ブロック(1200株)5段栽培、9/19播種(桃太郎ヨーク)、10/7直接定植(2次育苗なし)、12月28日摘心。生育、着果・肥大も良好。1月6日収穫開始、~3/26収穫予定。写真下。

3号棟CDブロック(900株) 7段栽培、8/30播種(麗月)、9/16直接定植(2次育苗なし)、11月下旬摘心。(CDブロックは、新たに7ブロックのリレー栽培に移行した時に連続出荷が途切れないように7段栽培としたものです。今後は盛夏期は3段、それ以外の時期は5段栽培で行います。)12月6日収穫開始、3/9収穫終了予定。1~2段目の果実肥大期の10月~11月は曇雨天日が多く、下段の果実肥大が芳しくなく、小玉で軟弱果が多く発生しました。この時機は1段当たりを2~3果に摘果すべきかと思われます。現在3段目を収穫中。写真下。

3号棟ABブロック(900株) 5段栽培、8/30播種(麗月)、9/16直接定植(2次育苗なし)、11月28日摘心。12月5日収穫開始。2月26日収穫終了予定。播種日が同じ3号CDブロックと同様に1~2段目の果実肥大期の10月~11月は曇雨天日が多かったため、下段の果実肥大が芳しくなく、小玉で軟弱果が多くみられました。次作の播種を1月27日に行いましたが、定植予定の3月1日までに収穫が終わり、片付け・定植準備ができるか予断を許さない状況です。(写真下)

代表取締役 糠谷 明

(株)静岡アグリビジネス研究所

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