猛暑の中、生産者はどうすべきか

皆様、暑い日が続いております。

今年は記録的な暑さで、9月に入ってもまだ日中は30度を超えています。

毎年毎年、異常気象と言われますが、これが何年も続くと通常な気象になってしまいますね。

この気象条件で、何も対策をしないのは得策ではありません。

弊社でも低コストでの対策を考えています。


弊社では、ビニールハウスの外部に遮熱シートを付けることにしました。

下の写真は遮熱シートを張ったハウス内部の様子と、外観になります。

この遮熱シートは張りっぱなしではなく、自動巻き機能を付けました。

巻き上げ原動機を環境制御装置に繋げることで、時間や日射量を基に制御することを考えています。

これにより、曇、雨の日射の少ない日や、朝夕方の日射が少ない時間帯には、自動で遮熱シートを開けることができます。

遮熱シートは光合成に必要な光は取り入れるため、ハウス内は明るく、また日中もそこまで気温が上昇しません。

対策の一つとして遮熱塗料もありますが、遮熱シートを自動巻き上げにすることで採光量も増え、また遮熱塗料よりも塗布の手間と資材費の観点からコストパフォーマンスが良いのではと考え、遮熱シートを導入しました。


もともと内部の遮光カーテンで高温時は対応していました。

しかし弊社の内部遮光カーテンは、どちらかと言えば保温機能重視の素材で、かつ遮光率が高いです。

また遮光カーテンをすることにより、内部の熱い空気が天窓へ抜けるのを遮断してしまいます。

遮光カーテンをしないと日中の温度上昇は抑えられないのですが、ハウス内は暗く、熱がこもっている印象でした。

これではハウス内の植物の光合成は進みません。

下の図はThinkingfarmのDM-CALC機能を使ってシミュレーションしたグラフです。

CO2濃度が400ppmの時、各日射における温度と純光合成速度の関係を表したグラフです。


上のグラフは、日射が多ければ純光合成速度は増加することを示しています。また30℃以上になると日射がましても純光合成速度は低下します。

なので純光合成速度を上げるには、温度は30℃以下になるようにし、日射を多くすることです。

遮光率が高いもので光を遮れば、光合成速度は下がってしまいます。

弊社では必要な光を確保し、温度上昇を抑え、光合成が増えるよう、遮熱シートでの対策を導入しました。実際の結果は来年になるのですが効果を期待しています。


設備導入に余裕があれば細霧冷房やパッド&ファン、ヒートポンプなどの冷房設備は効果的だと思います。特に夜間の温度を下げ、呼吸消耗を下げることが重要です。

最近は夜間の温度が25℃を下回り、トマトの肥大が回復してきました。

まだこれから続く残暑を乗り越えましょう。


栽培担当 飯田









(株)静岡アグリビジネス研究所

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