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夏期のメロン栽培を開始

   静岡県では、従来夏場にトマトを作るのは暑くて無理だというのが常識だったのですが、静岡県の消費者に夏でも静岡県産のトマトをお届けしたい、というスーパー田子重さんの熱意にほだされて、会社設立時(2009年)からトマトを周年栽培してきました。一般的な農家では、夏の昼間を高校野球を見ながらあるいは昼寝をして過ごしています。その夏の高校野球も朝晩にしか試合が行われないほど、暑さが増しています。弊社でも、当初から夏のトマト栽培には苦戦していましたが、7月29日付のブログで紹介があったように、ここ数年の気温上昇はすさまじく、もはや外部遮光をしても外気導入をしても、トマトが栽培できる状況にはありません。そこで、弊社でも夏のトマト栽培(9月~11月出荷)をあきらめ、代替作物としてメロンの栽培を始めました。 これまで弊社では、不十分な暖房設備の8号温室に4月以降定植し、7月の新盆、8月の旧盆時期を狙ってメロン栽培していましたが、今年は5号の3~6区画(トマトでは1区画600株栽培。1区画は160㎡)で、各400株を栽培しています。品種は青肉(ソナタ系)200株、赤肉(妃盛夏系)の各200株です。 8号は3室に別れており、8-1号が160㎡、8-2号が130㎡、8-3号が100㎡という変則な形の温室です。7、8月お盆用のメロンは、すべて青肉系のメロンを各区画で栽培しましたが、夏用のメロンは、8-1号、8-3号で青肉、赤肉を半分ずつ栽培しています。以下、各区画の8月11日現在の栽培状況を写真でお伝えします。5-3号:6月13日播種。7月17日~21日交配。9月10日~14日収穫予定。

藤枝市立葉梨中学、岡部中学の職場体験

5月12日から14日に藤枝市立葉梨中学校の2年生男子2名、女子1名が、5月20日から21日に同岡部中学の2年生男子2名が職場体験として、弊社でトマト、メロンの栽培管理を体験しました。将来の進路の希望はさまざまで、「将来農家になりたい」との希望を持っている生徒もいれば、将来の職業について何も決まっていない生徒(こちらが普通)や将来は調理師さんにという生徒さんまで様々でした。職場体験に期待することとして「職場で働く人の気持ちを知ること」、「どのように育てたらおいしくなるかを学びたい」という子もいて、そんな期待に応えられるか、不安がいっぱいなところでした。2日あるいは3日という短期間では、そのような高尚なことはなかなか教えられないけど、農業は経験と勘だけでなく サイエンスである(突き詰めれば農業は光合成を最大にすること)ということを、考えてもらうように指導しました。実際の作業は、トマトの収穫と選果、下葉欠き、脇芽取り、誘引、2次育苗(葉梨中学のみ)、メロンの誘引、下葉欠きなどを行いました。作業の中では、トマトの収穫作業が一番興味の持てた作業のようでした。まだまだ体験してほしいことはたくさんありましたが、2日あるいは3日という短い期間では時間が限られ、農業の何たるかを教えることは難しかったです。それでも最後のアンケートに、職業体験によって将来農業が職業の選択肢に考えられるという生徒さんが2人もいたことは、受け入れ者として嬉しいことでした。今回弊社を職業体験の場として選んでくれた皆様の益々のご活躍をお祈りいたします。

農林環境専門職大学短期大学部からの研修生服部蓮君の感想

HPのトラブルで掲載のタイミングを逸しておりましたが、静岡県農林環境専門職大学学生研修(令和6年4月15日~5月31日)服部蓮君の感想を掲載します。暑い中、お疲れさまでした。今回の研修では実際の農業の現場で働くことで、学校では得ることのできない様々な経験、知識を得ることができました。これまでは栽培管理など作業をする際「どうやるのか、何をするのか」しか見ていませんでしたが、今回の研修で「これを何故やるのか、どのような効果と何故その効果が表れるのか」といった原理を知ったうえで作業することは、学校での管理作業時や別の農場に行ったとしても応用が利きやすいためこの考え方はとても大切と実感しました。また、「どの作業から優先的にやるか、どうしたら早く作業が進むか、次の作業がしやすくなるか」等考えながら作業することで、より効率よく作業を進められるため、これはどんな作業であっても意識しておく必要があると学びました。 作業中や毎日行う給排液調査の時など、作物の様子や給排液のECや硝酸イオンの変化から日々改善していく姿勢もとても大切と思いました。またECや硝酸イオンといった数字だと変化が一目でわかるので改善しやすいと感じました。 収量や環境データ等、データの収集と利用も少し手間はかかりますが、過去のデータと比較することで「どこが違ったのか、次はどのようにするべきか」を考えやすくなるため手間やセンサー等のイニシャルコストがかかっても、それだけ価値のあるデータが手に入ると実感できました。「農業はサイエンス」という言葉にすごく納得しました。今回の研修で得たものを今後に活かして、より良い農業者になれたらと思います。1か月半ありがとうございました。静岡県立農林環境専門職大学 短期大学部 2年 服部 蓮

農林環境専門職大学短期大学部からの研修生感想

静岡県立農林環境専門職大学短期大学部の学生が10月10日から7週間、弊社にて企業研修を行いました。弊社での研修を終えての感想をこちらに載せたいと思います。 実際に仕事として農業を営んでいる企業の仕事内容を経験させていただいたことで、大学では学べなかった多くの事を学ぶことが出来ました。 区画リレー栽培によって播種から片付けまでの一連の作業を体験出来たのも非常に貴重な事だと感じています。単純な管理作業中では、作業をただやっているだけでは時間を浪費してしまうのだということを知り、どのようにやればより早く出来るのか、自分で自分なりの効率的なやり方を見つけていかなければならないのだということを学びました。 この会社でのキーワードとなっている「農業はサイエンス」という言葉も、今回の研修を通してまさにその通りなのだと感じました。農業というのはただひたすらに作業に取り組むものではなく、いかに純光合成量を上げ、生産量を増加させるのかが肝要なのだと気づき、そのためには日々の管理でデータを取り、そのデータを参照してその時々に合った設定に変えていくという流れが、美味しい農作物を作るコツなのであると学ぶことが出来ました。 そして農業における最も重要な要素、それは「作物をよく観察すること」これが非常に大事であると今回の研修で強く実感しました。日々の作業に取り組む上で、まずは作物がどのような状態であるかを常に把握しなければならず、それを踏まえた上で行う作業を決め、取り組んでいかなければならないのだと学びました。このような事は基本中の基本であると思いますが、だからこそこの基本を常日頃から注意深く続けていく必要があるのだと痛感しました。 今回の研修では非常に貴重な経験を沢山させていただきました。この経験をこれからの農作業にしっかり生かしていきたいです。                                  静岡県立農林環境専門職大学短期大学部 2年 岩佐大和